Reddyさんのグループプロセスコンサルテーション(4)
グループプロセスコンサルテーションにおける効果的なグループになることを昨日書きました。成果とグループや個人の力の育成という言葉で書き換えてみました。
ちょうど、Reddyさんの記述にこのようなことが書かれています。
グループプロセスコンサルテーションの介入のポイントは、課題やアウトプットに関するものだけでなく、グループのダイナミクスやwell-beingに焦点づけられるのであると。また、Shein(1990)さんは、援助(支援)の一般的な哲学(考え方)は、コンサルタントの中心的な関心として、クライエント自身の能力の向上に向くことであると記しています。
そして、グループプロセスコンサルテーションを行うことで、グループの中に、プロセス介入を見て、その学びが内在化することができれば、グループプロセスコンサルテーション(コンサルタント)は、必要がなくなると考えているようです。まさに、Tグループセッションやベーシックエンカウンターで、セッションが進むと、トレーナーやファシリテーターの役割を背負った人間は必要がなくなると言われるようなことと類似していると言ってもいいのでしょう。
ただ、グループプロセスコンサルテーションでは、意識的に、グループに働きかける必要があり、やはりグループの中ではユニークな存在であり、ダイナミックであり、権威をもつこともあると。存在の影響力は大きいと言ったらいいでしょうか。そして、その介入に際して、状況を認知し、その状況に介入するすべての意思決定は、コンサルタント自身の歴史やスタイルに基づくものなので、自己知識(self-knowledge)が重要であるとも書かれています。
ここでの自己知識(self-knowledge)が単に自己理解ということばをさしているのか、もう少し他の意味があるのかは、Reddyさんの著書の中では、明確ではありません。
私自身が、1985-1986に米国マサチューセッツ大学で、学んできた自己知識(self-knowledge)という言葉を想い出しました。Weinstein教授のもとで学んできたSelf Science)の文脈では、自分が体験していることをどれだけ自分の言葉で語ることができるかという概念でした。まさに、昨日(3)で書いた体験をどのように認知できるかとも一致します。また、機会がれば、自己知識についてももう少し詳しく触れたいと思います。