2012年度第1回の体験学習実践研究会(学校教育領域)を開催
本日(5月26日 土曜日) 午後1時30分より午後4時45分まで、体験学習実践研究会が行われました。参加者は、私も含めて、12名(初めての参加者は2名)でした。
まずはじめに、お互いの自己紹介もかねてチェックイン(今の気持は?)を行いました。
話題提供は、大塚弥生先生(南山大学総合政策学部准教授)でした。大塚先生が担当する教職演習の授業の中で学生たちと一緒に創作した実習「修学旅行〜北の街〜」を実施していただき、ふりかえりを行うといったプログラムでした。
この実習は、小誌「体験学習実践研究」のVol.11に掲載しております。
実習の活動時間の予定は、20分でしたが、20分では問題解決に至らず、10分延長の30分ほどかけて問題解決に取り組みました。
私も入ったグループでも、またもう一つのグループでも、自信をもって出した解答も、予定されていた正解とは異なる結果になりました。
ということで、ふりかえりをすぐに行わず、情報紙にどのような情報があれば、予定されている正解になるのかなど、コンテントに関わる話し合いが各グループで行われました。この話し合いも、結果的には、グループ活動の一つになったと言ってもいいかもしれません。
しばらく話し合いは続き、ほぼ情報紙のアイデアが出きったところで、ふりかえり用紙が配られ、個人記入。
そして、休憩。コーヒータイム。
再開後、それぞれのグループで分かち合い。ふりかえり用紙は、1.個人の参加度、2.グループのコミュニケーション、3.メンバーの言動について気づいたことのフィードバックから構成されていました。経験豊富な人たち同士のふりかえりでも、いつも新鮮に感じることがたくさんあり、学び多い分かち合いになりました。
その後、全体で輪になり、今回の実習をやってみての感想やこの実習を行ってみてのフィードバックなどを話し合いました。
興味深い議論の中で、
○どのように話し合いを進めていくかを、活動に入る前に話し合うのもいいのではないか?たとえば、役割や進め方などを話す時間があると、活動に入りやすいのではないか?
○ねらいによって、そのような進め方を話すように枠組みを作るかどうか、大きく異なるであろう。
○ひとり一人が参加しやすくするために、そのような進め方の話しをすることは意味があるかもしれない。
○一方で、グループで活動する時に、役割や進め方などを話し合うことが大切であることを学ぶということもねらいにあるならば、ファシリテーターがあらかじめそのような活動を指示しない方がよいかもしれない。
○学校教育の中では、こうした体験から学ぶ機会は一度だけではないから、あまり枠を狭めずに広くして、生徒が気づくことを支援することを大切にしている。
など意見がたくさん生まれました。
最後に一人ずつ今日の気づき学び、感想を伝え合って研究会を終えました。
○久しぶりにやってきて、楽しいなと感じた。
○コンテントに乗り切れない自分を発見。でも、ふりかえりで、いろいろフィードバックをもらえて、こんな自分がいる、こんなに見られていると言ってくれること、気持ちがいいなあ。
○自分のクラスで仲間を認め合える関係が生まれることを願っている。今日の参加者の気づきを聞いていると、「表情が気になっていた」などあり、子どもと違って相手を大切にする言葉がたくさんあって、子どもも回数を重ねるとこんなふうに気づけるようになるなら、いろいろ試してみたいなあと思った。
○遅れて、参加でしたが、結構いろいろな発言ができたなあ。
○枠の話しが勉強になった。教員全体で生徒全体に体験学習を実施することがあるが、教員は枠を創りたがるので、こうした枠を取り払うことについて話し合うことができるといいなあ。
○教員相互にワークショップが行えるといいなあ。どうしてもスムーズになるように意図して枠を創ろうとしてしまう。枠を創らないことは、腹をくくらないといけないと思いました。
○中三の生徒が、新しい環境に入った(高校入学した)時に、新しい環境になじめないと思わずにすむような取り組みができるといいなあ。
○分かち合いに参加して、一緒に参加している感じ、率直にフィードバックできる関係っていいなあ。
○フィードバックを受け取ることは気持ちがいいなあ。
○枠の話しが印象的。サッカーの岡田監督の話で「指導者の思いを越える』ということ。最近は指示を与えず、若い選手の発想力を大切にしている。真の教育者だなあと。それを思い出した。
○今日やってみて、ねらいに影響される自分を発見。ねらいがなかったので、フリーな感じで課題達成型で取り組んだ。ねらいを意識している自分。フリーであったからこそ気づくことができた。
○他の人のことが気になりながら、私自身が本人が何かやろうとするならやるだろうと相手を信じている自分を発見した。
○どっぷり入れた。やってみて非常に大切な体験でした。
○分かち合いをしてみると、遠慮をしていた自分がいたことに気づいた。その場では気づいていなかった。
○ちゃんとわかちあいができたこと。その人の言葉で聞けたこと。
○実習そのものは、やっぱり参加者としてやるのがいいなあ。
○自分がどんな動きをしているのか、フィードバックをもらったりして、リフレッシュする機会をもてることは大事だなあ。
○課題がすっきりしなかったのにも関わらず、情報紙の可能性をさぐったり、プロセスのふりかえりを気持ちよくこうして行えていることが、なんか不思議な感じ。この研究会の良さなのかも・・・。