Tグループとは No.038 JOHARIの窓の未知(MYSTERY)の領域の発見とは?
JIHARIの窓のモデルの話の中で、私も相手もわかっていない領域「未知の領域(MYSTERY AREA)」をいかに知ることができるのか?このことは、長年人間関係トレーニングに携わりながら疑問をもちながら来ているところがあります。何がどのように開かれていくのか、読者の中にも疑問に思われている方が見えるのではないでしょうか?
このことは、「盲点の領域(BLIND AREA)」もしかりで、フィードバックで何を気づくことができるのか?また、「隠している領域(HIDDEN AREA) 」では、何を隠したり隠されていたりしているのか?もう少しクリアにしたい気持ちがつんつんの中で起こってきます。
対人関係の中でわかっていない領域である『未知の領域」を知るためには、自己開示やフィードバックが必要であることは、JOHARIの窓のモデルでは語られています。
だいぶ前のことですが、参加者とやりとりをしている時につんつんが時計を外して、その時計で参加者を指していたのです。ある人から「モノで人を指すのはやめてもらいたい」とフィードバックを受けたのを思い出します。その方は、私の行為で不快な思いをされたのでしょう。
自分の行為が、他者にどのように見られているか、いやその前提として自分がどのような行為をしているかさえ気づかずにいることがあり、そしてそれが思いがけなく他者に影響を与えているかことにまったく意識せずに行動をしているのです。このことは、他者にわかっていて自分には気づいていない1つの典型的な「盲点の領域(BLIND AREA)」を狭めることができる例と言えるでしょう。
そのほかにも、フィードバックを通して、自分の言動について自分と異なる他者の見方を聞くことができたり、自分が他者からどのような期待やニーズがあるのかを知ることができるのです。
では、自分がわかっていてそれを明らかにせずに行動している「隠している領域(HIDDEN AREA) 」には何があるのでしょうか?自分自身をどのように見ているか?目の前の他者をどのような見ているか?または、そうした関係の中で自分の中に生まれてきている気持ちや考えていることを隠して、会話をつづけていることが考えられます。
そのことは、今「隠している領域(HIDDEN AREA) 」にあることをもし明らかにすると、もしくは明らかになると何か問題が起こると考えているから隠さざるをえない状況が起こっているかも知れません。
こうしたことも不安や懸念があるからこそ起こることですが、それを突破するのも今抱えている気持ちや思いを伝えること「自己開示」が必要になります。そして、多くの場合には、その先には、不安や懸念を払拭するほどの信頼関係が生まれる可能性を秘めていると考えられます。楽観的過ぎるかも知れませんが、他者に受容されることを通して自己を受容し、自己を受容することを通して他者に頼ること・信頼することが可能になるのです。
そうした人間関係のトレーニングにおいても、日常の人間関係においても、相互の関係の中で何が「開放の領域(OPEN)」として理解し合えることが大切なのかを考えると、つんつんは一人ひとりの言動のもとになっている「意図」だと考えています。
メンバーがどのような「意図」でそのことを伝えようとしているのか?伝えないでいるのか?なぜそんなふうに話したのか?なぜその時にそのことを伝えようとしたのか?その意図が明らかになると、その人の思いが明らかになり、安心感が生まれ、その言動に対する応答は生まれやすくなります。JOHARIの窓の「未知の領域(MYSTERY)」の発見の部分には、この「意図」があるのではないかと考えています。
言動を起こしたメンバーには明確に意識された「意図」はなく、他のメンバーからの問いかけや反応から、思いがけない自分の内側にあった「意図」に出会うことになるのです。それは、もう少し一人ひとりの思いに関心をもち問いかけることで、その人の願いにも辿り着くことができるかも知れません。人間関係トレーニングの場面の中では、自分の行動に潜む意図や願いを発見することが可能になるのです。
このことは、もう少し思いを深くそして広がりをもって内省を進めていくと、自分の人生のアイデンティティや価値観の発見にもつながっていく体験にもなる参加メンバーもおられるようです。JOHARIの窓のモデルが示す4つの領域と、自己開示、フィードバック、そして問いかけのもつ力は、Tグループ、人間関係トレーニングではとても大切な気づきを発見するきっかけを与えてくれると考えています。(つづく)