今日は名古屋大学附属病院で「ファシリテータートレーニング」研修を行ってきました!
「ファシリテーター」、「ファシリテーション」という言葉は、たくさん最近は使われます。
はやりと言ってもいいでしょう。
その定義は、いろいろとされています。
津村も、2009年度の南山大学人間関係研究センター紀要第8号に「プロセスからの学びを支援するファシリテーション-ラボラトリー方式の体験学習を原点として-」という論文を発表させていただいています。
「ファシリテーション」に関心をもっていらっしゃる方は、そちらの記述もお読み下さい。
さて、今日の研修は、午前9時からスタート。
自己紹介の後、本日の研修のねらいとスケジュールの説明を行いました。
ねらいは、下記のようなものを提示しました。
○体験から学ぶことを促進するファシリテーターとしての基礎的な知識と実践力(スキル)を高める
○チームで仕事をする時に起こるプロセス(自分や他者の動き、コミュニケーション、意志決定、リーダーシップなど)に気づくとともに、お互いの成長のために効果的なフィードバックを行うことを実践し、チームや個人の成長に取り組む
その後に、私の定番の実習の「同心円」実習。
少し、お題を替えてやってみました。
ここにやってきた期待とか、取り組みたいことを語ってもらいました。
そして、コンテントとプロセスの話をさせていただきました。
結構、このプロセスの説明で、津村は時間をとってしまいます。もう少し、手際よく進めなければと思いながら、ついつい力が入ってしまうのです。
そうこうしているうちに、10時過ぎてしまいました。
その後、グループ分けをして、問題解決実習を行いました。
体験から学ぶことを体験するとともに、グループプロセスを理解してもらうための実習でもあります。午後からも同じグループで活動をするので、相互に信頼関係づくりと、そのためにお互いにフィードバックをすることを体験してもらうことも大きなねらいです。
問題解決実習は、本日、公の場では初お目見えの「ナースをさがせ」というタイトルの実習です。
初めての実施する実習はいつものことながら、どきどきものです。
結果としては、下記の記録にあるように、7グループ中2グループが完全正解という結果でした。
30分の活動でしたが、まずまず使えそうな実感がもてました。
この実習は、来週12月4日(土)5日(日)に開催される日本体験学習研究会第12回全国大会で、「体
験学習実践研究Vol.10」の中に問題解決実習から学べる要素の解説と併せて、掲載しています。出典さえ、紹介していただければ、どなたでも実践することができます。ぜひ、手にとってみて下さい。
ふりかえりもどのグループもしっかりやって下さいました。
インタビューをしたときにもう少し、グループから積極的に気づきや学びが発表されるといいのですが、これも津村のファシリテーションの力量でしょう。
3グループぐらいからの発表とコメントで、お昼休みになりました。
午後は1時からスタート。
津村は、2つのファシリテーションというお話をさせていただきました。
1つは、グループ課題を達成することをファシリテーションすること、もう一つは、グループ(個人も含めて)の成長を支援するファシリテーションです。
グループの課題達成へのファシリテーションは、リーダーシップの2つの機能からのアプローチの大切さ、それとReddyさんたちが提唱しているプロセスコンサルテーションのロードマップもヒントにするようにお話をしました。
一方、個人やグループの成長のためのファシリテーションは、まさに体験から学ぶ循環過程を学び手が実践できるように支援するファシリテーションです。津村が教育ファシリテーションとよんでいるものです。
それらの話をして、理解してもらった上で、今日は、3つの役割に分かれて、セッションを行いました。ファシリテーター役、オブサーバー役、メンバー役です。
ファシリテーター役の方は、上記の2つのファシリテーションを2つのフェイズに分けて、取り組んでいただきました。また、オブザーバーは、それらの活動の中でのファシリテーターの動きを見ていて気づいたことをメモして、後で、フィードバックをしてもらいました。
こうしたセッションを2セッション行いました。
かなり複雑なプログラムですが、しっかりと参加者のかたは参加していただけたようです。いつものことながら、参加者の力量に助けられます。
インタビューの中から、プロセスに介入することの難しさや、メンバーに聴くことの大切さなどを報告して下さる方も見えました。また、プロセスにかかわる発言をしてくれた人に対してレスポンスすること、フィードバックすることの大切さを実感された方もいたようです。また、話が盛り上がっているけど、流れが目的と異なる方向に行っていることには気づいているのだけど、そこに介入することの難しさを実感されたとの気づきの表明もありました。
できる限り、一つ一つの気づきに対して、津村なりにコメントを付け加えながら応答させてもらいました。
そして、疑問として、進行役、リーダー、ファシリテーター、何が違うのだろうという問いも投げかけられました。今から思うと、もう少し時間に余裕があれば、フロアーのメンバーに返してもよかったのになあなんて思ったりしています。
ただ、津村は、ファシリテーターは、プロセスへの介入をすること、それゆえ、プロセスに焦点をあてていることが、津村がいうファシリテーターの重要な働きであることを伝えました。また、リーダーが目的地を知っていたり、そちらに活かせたりするのとはちがい、メンバーがどこに向かいたいか、ともに考えることができるのがファシリテーターであることですとも、伝えました。
まだまだファシリテーターに関しては、説明しなければいけないことがありそうです。
また、今日のプログラムの流れで、自分なりに、もう一度整理し直し、2つのファシリテーションが学習者(参加者)にわかりやすい、伝え方を工夫したいと考えています。
少々長くなりましたが、お読みいただいて、ありがとうございました。